ネット匿名論再び
前回にちらっと書いてみたのだけど、時期に乗り遅れてしまって、すっかりどこにもトラックバックを送れなかったんですよね(恥
さて、今回は逃すまじと、DANさんのところの話をちょっと書いてみますね。
まず、匿名で使う人が「弱者かどうか?」というのは仮定でしかないと思います。弱者だから何をしても許されるものでもない。匿名だろうが実名だろうが、ルールはあるはずです。
ただ、DANさんの、
ところが匿名性の達人は、弱者じゃないんだな。
お面をかぶっているのでそのお面にだまされて匿名とすら思っていないのだけど、実は「名刺」で仕事している人たちはすべからく名無し。彼ら自身の名前で勝負しているんじゃなくて、お面で勝負しているんだから。その中でも一番強力なのは「当局の中の人々」で、次が「大企業の中の人々」。
フェアじゃないのはどっちかな?
ここの部分を見て、狂言の演目ですが、「月見座頭」を思い出しました。
月見座頭の演目のあらすじは、こちらやこちらが詳しいかと思います。
男(名前がありません)は、座頭に最初はやさしくするのですが、歓談して別れたあと、「意地悪をしようとして」豹変して今度は座頭に喧嘩をふっかけていきます。座頭は、同一人物とは思えず、別人としか理解できません。
なぜ座頭(目が不自由な方)が名月のときに出かけるのか? 「虫の音」をきくためなのです。名月の日に出かけるのという行動は同じですが、目的が違う場合もあります。
また、あるときはやさしいのに、突然、理由も無く冷たくなるという人もいるでしょう。
目が見えないはずの座頭のほうが、晴眼者である男に比べて、
よく世間が見えていることも、ありえると思います。
書き手が、匿名なのか、実名なのかが問題なのではなくて、今、その人たちが行っている行動が、はたして、この演目のなかの、座頭なのか、男なのか?を省みることも必要だと思います。
- この狂言の解説で参考にしたのは、「狂言ー落魄した神々の変貌」 by 戸井田道三 です。
狂言―落魄した神々の変貌 (平凡社ライブラリー (226))
- 作者: 戸井田道三
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(もともとは「川上」のことを理解したかっただけですけどね。