明日への記憶

  
渡辺謙主演の映画、明日への記憶の試写会を見てきました。 
  
ちょうど親が脳梗塞で倒れて、今日で9年になるので、
介護の気分休めに、行ってみました。
  
9年前の4月25日は金曜日で、
26、27の土日休みから始まるゴールデンウィークの始まりだったのは
とてもよく覚えています。
  
9年の出来事を思いだしつつ、
複雑な想いをしながら、試写会に行くと舞台挨拶があり、
映画監督と、渡辺謙樋口可南子が来名しているではないですか!
Gloria in Excelesis Deo!
  
昔は、「名古屋飛ばし」って言われるくらい、
名古屋にはだれも来なかったものですけどねぇ。
  
さて、似たような映画に「私の頭の中の消しゴム」があるのですが、
「明日への記憶」は、親の立場である人の病気の状態が淡々と記されていました。
  
世界で一番受けたい授業での鎌田實 先生の、
「がんばらない 〜病気に負けない3つのコツ教えます〜 」で、でていた、
4つの痛みが上手く描かれていると思います。
    
仕事(社会的な立場)を失う痛みが、この映画では淡々と描かれていました。
私の頭の中の消しゴム」にはない視点でした。
  
ただ、病気というのは、周囲も大変ですが、本人も本当に大変で怖いと思います。
  
多かれ少なかれ、病気というものは、自分が自分でなくなることで、
普通だと思っていたことが、いかに難しいことか認識するところから始まるし、
だんだんできなくなっていく恐怖もあるのでしょう。
  
一番理解していると思っていた自分自身に裏切られる驚きと不安ですよね。
   
ふと、映画の中の言葉に励まされました。
「生きているだけでいいじゃないか。」
  
そうそう。
有益であるとか無益であるとか、そんなことではない世界がありますから。
病気の患者に、治癒する進捗は存在しないのですから、ノルマも何もないです。
   
ラテン語の格言を愛する私には、心に響いた言葉でありました。
  
ここから

Dum spiro, spero
息ある限り、希望を抱く。
Dum vivimus, vivamus
(せめて)生きている間くらいは、生きようではないか!

  
個人的な感想としては、
  

  • この映画、40代の男性の奥さんがアルツハイマーになってしまったら、いったいどうなったのでしょうか?

    

  • 樋口さん演じるような奥さんは「熟年離婚」が騒がれる中、現実にいるんでしょうか?

  

  • 在宅介護ではなかったほうが、この男性の場合、痛みを癒せたのではないでしょうか?

そういえば、余談ですが、
昔、「私、松江に帰らせてもらいます」というせりふが印象的だった
仕事を失ってからボケが進行するという映画*1は、今の時代には受けるのでしょうか?
  
2007年からの大量の定年退職を受けて。。

*1:当時はまだ認知症という言葉が存在していなかったと思います