第7回名匠狂言会 (故佐藤秀雄 23回追善公演)

   
名古屋能楽堂に行ってきました。
もう、最高に楽しいし、贅沢な布陣の追善公演でした。
   
佐渡狐は、野村萬さんの奏者がすばらしい。
袖の下を渡そうとする佐渡の百姓に対して、
最初は断るも、、だんだんと受け取る変容を遂げる
役人の変化がとても上手ですね。
野村万蔵さんとの親子競演の舞台ですが、
すばらしく息の合ったものでした。
   
さすが、人間国宝ですね。
70を過ぎて、声も扇子をつかう力もタイミングもすばらしく洗練されている。
   
「宗論」は。。佐藤友彦さんのねちっこい浄土僧が笑えました。
踊念仏と題目を取り違えたときの二人の顔が、とてもすばらしい。
その後、法華僧と浄土僧の二人で悟る歌がとてもとても美しい。
和やかに楽しむ。。「和楽」なんですね。
   
小舞の「貝づくし」の 野村又三郎さんは、
地謡と共にあってこその美しさ。
   
野村万作さんの小舞の 「海人」 も。。。
まるで刀で自分の腹を割き、玉を隠し持っていくまでが、
静かであるがゆえに、時折の激しさが対比となって、魅せますね。
   
「濯ぎ川」 は。。茂山千之丞さんの姑がすばらしかったです。
追い込みのあと、杖がないまま舞台に残されたとき、
足腰が悪いということをまったく不思議に思わせないままで、
全ての動作で笑いをとる。
なんと、人間というものを知り尽くしているのか。
   
「鬮罪人」 は。。
太郎冠者の井上菊次郎さんがすばらしいですね。
   
初めて狂言を見るという人をつれていったのですが、
大蔵流の新作狂言ですが、人気があるので番外として定着しつつある
「濯ぎ川」と、古来からある「佐渡狐」はとても笑えたそうです。
   
できれば、和泉流の新作狂言である「子ほめ」もそのうちに見てみたいな。
   
追記:「子ほめ」も名古屋に来るみたいですね。